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新型コロナ対策の「本末転倒」と「対症療法」③

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それでも、結果として、これまで日本は感染者数を比較的少ないレベルに抑制することができてきた。
2021年2月20日時点で、日本は10万人あたりの累計感染者数が世界37位(339人)であり、米国1位(8,545人)、イギリス5位(6,661人)、フランス6位(5,388人)、イタリア8位(4,700人)、ドイツ10位(2,888人)、カナダ22位(2,237人)だから、G7の中では最も優秀だ。

しかし、それを可能としてきた主な要因は、政府の対策ではない。
個人レベルでの感染対策の要諦は「清潔」である。よく指摘されるように、世界的に突出した日本人の清潔志向という異常な文化主要因であることは間違いないだろう。事実、他に注目すべき要因は見つかっていない。
日本人全体の「異常」が、日本政府の「普通」が生む被害を抑制してきたのである。

我々は、もしも突出した日本人の清潔志向がなかったら、どうなっていたかを想像し、今後に備えなければならない。日本人の「異常」が変異種や新種のウイルスに通用し続けるとは限らない。
それに、そもそも「人々の命と健康を守る」ための対策で世界37位は、決して良しとすべき順位ではない。

感染対策の目的を「感染を収束させる」ではなく、本来の目的である「人々の命と健康を守る」としよう。その上で、根本的な感染対策を考える。すると、結論は「感染機会の最少化」以外にない。

「感染機会の最少化」は、「最大限の感染者の隔離」とそのための「最大限の感染者発見」によって実現され、「最大限の感染者発見」は「最大限の検査」によって実現される。
要するに、「人々の命と健康を守る」ための根本的な感染対策とは「最大限の隔離」と「最大限の検査」なのだ。

そして、論理的に、この結論は、検査の精度が完全でなくても変わらない。
検査の精度が完全でないことや検査能力の制約を理由に「最大限の検査」を否定する向きもあるが、この結論は、もしも新型コロナウイルスの致死率(約2%)がエボラ出血熱並み(約50%~90%)だったとしたら、直感的にピンと来る話であるはずだ。

いや、もっと分かりやすくするために、致死率100%の場合を想定してみよう。誰もが目の色を変えて「最大限の隔離」と「最大限の検査」をしようとするだろう。

感染対策に限らず、根本的な対策とは、概して多くの場合に共通するという意味で、普遍的なものなのである。
特定の場合に限られる対策は、概して根本的な対策ではない。

Good? or Not Good?

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