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対価とは何か

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辞書によれば、対価は「財物や行為などによって人に与えた利益に対して受け取る報酬」(大辞林)である。
これをベースに対価とは何かを考えてみる。

文中の「財物や行為などによって」は、言わずもがなの前提とすることができる。
「人」は顧客である。
「利益」は「商品価値(顧客価値)」と解釈できる。
ならば、対価は「顧客に与えた商品価値に対して受け取る報酬」となる。

しかし、「受け取る」は、商品価値を与える(生む)側の視点での表現だ。対価を支払う側、すなわち顧客側の視点での表現ではない。
そこで、双方の視点での表現に改めると、対価は「商品価値と交換される報酬」となる。

さらに、本来、価値の対価となり得るものは、価値しかない。
このことを反映すると、対価は「商品価値と交換される価値」となる。

とは言え、対価を価値と考えてしまうと話が複雑になり過ぎる。
ゆえに、ここでは世の中にならい、対価は価値を生む事物であるとして、対価は「商品価値と交換される価値を生むもの」と考えることとする。

そして、この「商品価値と交換される価値を生む」は、価値が持つ「対価すべてに共通し、他の事物すべての共通しない」属性である。
ゆえに、対価の本質に間違いない(「本質とは何か」参照)。
よって、対価とは「商品価値と交換される価値を生むもの」である。

無論、対価すなわち「商品価値と交換される価値を生むもの」の代表格はお金だろう。
経済学で、お金は「価値尺度」「流通手段」「価値貯蔵手段」の三つの属性を持つものとされる。簡単に言えば「様々な商品価値といつでもどこでも交換される価値を生むもの」だ。
お金が優れた対価であることは、間違いない。

しかし、古くから、物々交換に用いられる事物のすべてが対価である。
対価は、商品価値を生む人と受け取る人の両者が合意するものであれば、お金以外の、どんな事物でも構わない。

だから、例えば、対価は「商品についての評価」でもいい。
「商品を生む人への感謝」でもいい。

ならば、である。
顧客からの評価や感謝を表すデータは、できるだけ可視化して集めたほうがいい。

世の中は、それらを単なるマーケティングデータと考えがちだが、そうではない。
本質的に、顧客からの評価や感謝は、お金に上乗せされる対価なのだ。

顧客からの評価や感謝は、商品価値を生む人であるビジネスマンのモチベーションを高めることで、彼らが生む商品価値を高めることになるだろう。

さらには、公開すれば、それを見た他の顧客の頭の中に生まれる商品価値を高めることにもなる。
そして、高まった商品価値は、お金という対価を増やすことになるだろう。

今、そうしたサイクルをうまく回しているのがGAFAなのだ。
GAFAは、お金という対価だけを見ていないからこそ、お金という対価を最大化できているのである。

Good? or Not Good?

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