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「頭が良い」とはどういうことか

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ウェブの辞書横断検索サイトであるコトバンクで「頭が良い」を検索してもヒットしない。
しかし、最上位に表示される「賢い」の意味である「頭の働きが鋭く、知能にすぐれている」は、一般的に言われる「頭が良い」の意味と合致する。

世の中が考える「頭が良い」とは「賢い」、すなわち「頭の働きが鋭く、知能にすぐれている」なのだ。
短縮すれば「頭の働き(知能)がすぐれている」である。

また、一般的に、「頭を良くする」と言えば、「記憶」や「思考」という脳の機能を高めることを指す。
ならば、「頭の働き(知能)がすぐれている」の「頭の働き(知能)」は、「記憶機能」や「思考機能」であると言っていい。

よって、世の中が考える「頭が良い」とは「記憶機能や思考機能が高い」であることになる。
世の中が考える「頭が良い」の「頭」とは「記憶機能や思考機能」であり、「良い」とは「(機能が)高い」なのだ。

つまり、世の中は、「記憶機能や思考機能が高い」ことは「良い」ことであると考えている。

では、「良い」こととは何なのか。
本質的に、「良さ」とは「価値」である(「良さとは何か」参照)。
よって、「良い」こととは「良さを生むこと」すなわち「価値を生むこと」である。

そして、「記憶機能や思考機能が高い」ことは、「価値を生むこと」であるとは限らない。
「記憶機能や思考機能が高い」ことは、「害を生むこと」であることもある。
「記憶機能や思考機能が高い」コンピューターが使い方次第で多くの人を生かす利器になることもあれば、多くの人を殺す武器になることもあることを考えれば、このことに議論の余地はない。

ならば、「記憶機能や思考機能が高い」ことは、「良いこと」であるとは限らない。
「記憶機能や思考機能が高い」ことは、高い記憶機能や思考機能の使い方次第で「良いこと」にも「悪いこと」にもなる。

したがって、世の中が考える「頭が良い」ことは「良い」ことであるとは限らない。
世の中が考える「頭が良い」ことは「悪い」ことであることもある。

世の中は、そろそろ「記憶機能や思考機能が高い」ことを「頭が良い」と言うのをやめたらどうだろう。
本来なら「頭が高い」なのだろうが、それだと「頭(ず)が高い」という別の意味にも取れてしまう。
何か他にうまい言い方はないものか。

なお、頭である「記憶機能や思考機能」の使い方を決定付けるものは、心である。
つまり、「頭が良い/悪い」を決定付けるものは、心なのだ。

「頭を良くする」には「心を良くする」ことが欠かせない。
だから、頭を鍛えるだけでは、頭は良くならない。
心もちゃんと鍛えよう。

ちなみに、心とは「感情を生むもの」である(「心とは何か」参照)。
「良さ」=「価値」を社会的なものと考えれば、良い心とは、他者にとっての「良さ」=「価値」を自己にとっての「良さ」=「価値」と感じる感情を生む心である。

「心を良くする」こととは、利他を利己とする心を持つことなのである。

Good? or Not Good?

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